第34回JKYBライフスキル教育・健康教育ワークショップのプログラムが決まりました。プログラムの概要を紹介します。
プログラムのダウンロートはこちら
7月20日(日)
10:00~12:30
初参加者コース
ライフスキル教育の理論的基礎(講師:神戸大学名誉教授 川畑徹朗)
【知識中心型・脅し型健康教育に代表される古典的健康教育の失敗を踏まえて,行動変容に有効な健康教育を追究する中で生まれたライフスキル教育の理論的基礎について,体験学習を通して学びます。
またセルフエスティームやライフスキルは,子どもたちが人生上の目標を達成し,他者と協働し,感情をコントロールする能力である社会情動的スキル(非認知的スキル)(OECD,2015)の中核的内容であり,変化する社会の中で自分を見失うことなく,充実した人生を歩むための土台となることについても理解します。】
10:00~12:30
経験者コース
ストレス対処スキルを用いた食育プログラム(講師:大阪公立大学准教授
早見直美)
【健康的な食生活がよいと頭では理解していても,できなくなることがありま
す。ストレスはその要因のひとつといえます。現代の子どもたちは多くのストレ
スを抱えています。ストレスがかかると,お菓子をドカ食いする,食欲がなく
なるなど食行動へ影響があることが知られています。「ストレスをはねのける
(強くなる)」「ストレスに健康的に対処する」方法を身につけ,不健康な食行動を予防し健康的な食生活につなげるプログラムの体験学習を行います。】
13:30~16:00
選択コースA
新訂・JKYB食生活教育プログラム(講師:桃山学院大学非常勤講師 宇佐見美佳,大阪青山大学准教授 蜂須賀のぞみ,早見直美)
【日々の食の営みは,生涯の健康管理に欠かせませんし,また,日々の楽しみでもあります。幼少期における食習慣形成のために,日々の健全な食行動の積み重ねが大切です。
JKYB食生活教育プログラムは,プリシードモデルをベースに構成され,知識・態度/ライフスキル・社会資源/身近な人の態度・行動により,健康的な食行動形成・維持を目指します。それらを基礎に置き,日々の食生活を通じて生きる力を育成します。
プログラム“バランス朝ごはんを毎日食べよう”をベースに,望ましい食生活を楽しみながら,ライフスキル教育の理論と実践を学びましょう。】
13:30~16:00
選択コースB
メディアとストレス(講師:日本赤十字看護大学大学院非常勤講師 宋 昇勲)
【デジタルメディアの急速な発展は,若者の生活に大きな影響を与えます。特に,ソーシャルメディア,YouTube,ゲームなどのさまざまなメディアコンテンツの使用は,メンタルヘルスと密接に関連しており,ストレスレベルに影響を与える可能性があります。
このセッションでは,青少年のメディアとストレスの関係を探求し,健康的なメディア使用戦略について一緒に考えます。】
16:10〜16:30
初日閉会式(体験学習を含む)
7月21日(月)
10:00~12:30
初参加者コース
意思決定スキルの育成(講師:京都女子大学教授 西岡伸紀)
【意思決定は,様々な事柄について日常的に行われますが,その大半は,経験や直感により瞬時に行われます。直感型の意思決定は現実に機能しており,それにより大問題が頻発することはありません。ただ,危険行動への対応,対人関係,SNSの使用,進路等において,熟慮型の意思決定が必要になる場合も多々あります。
本セッションでは,熟慮型意思決定に焦点を当て,私たち自身や子供達の意思決定の経験を踏まえ,参加型学習により,子供達の意思決定スキルの育成について体験します。具体的には,意思決定の内容や特性,有効な意思決定の行い方(Stop・Think・Go)等を確認した後,意思決定場面を用いて模擬的に意思決定を行い,スキルの育成について意見交換します。】
10:00~12:30
経験者コース
メンタルヘルスプロモーションプログラム (川畑徹朗)
【我が国の年代別自殺率の年次推移によれば,ほとんどの年代において総じて減少傾向にあるのに対して,青少年の自殺率は漸増傾向にあります。そして,このコロナ禍によってメンタルヘルスの問題はますます深刻化しています。
WHOは,学校におけるメンタルヘルスプロモーションを一次予防,二次予防,三次予防に分け,全ての児童生徒を対象とした一次予防がメンタルヘルスプロモーションの基盤になるという考えを提唱しています。
JKYBは現在,WHOの考え方を参考に,レジリエンシーを育てる「ユニット1」と,具体的なメンタルヘルス教育である「ユニット2」から構成される一次予防としてのメンタルヘルスプロモーションプログラムの開発に着手しています。
本セッションでは,JKYBメンタルヘルスプロモーションプログラムの基本的考え方と,小学校5年生版の内容を中心に具体的な進め方について体験的に学びます。】
13:30~16:00
初参加者コース
セルフエスティーム形成教育の理論と実際 (川畑徹朗)
【セルフエスティーム(健全な自尊心)は,「人生の逆境に直面した時に,立ち直り,さらに成長するために必要な能力や特性」と定義されるレジリエンシーの本質的要素であると考えられています。
本セッションでは,セルフエスティームの定義とその重要性,セルフエスティーム形成に関わる要因,学校教育における系統的なセルフエスティーム形成教育の内容について学びます。】
13:30~16:00
経験者コース
目標設定スキルの育成(講師:西岡伸紀)
【子供も大人も,様々なめあてや目標を設け,達成に向けて努力しています。達成のためには集中し努力することが不可欠ですが,それ以上に戦略や計画が重要とされています。しかしながら,目標設定・達成に関わり,子供達の生活習慣の改善の手立てをみると「とにかく頑張る」「特にない」が多く,具体的ではありません。一方,目標設定スキルの視点からすれば,戦略等の内容は様々挙げられます。例えば,目標設定の仕方,モニタリング,達成のイメージ化,未達成時の振り返りなどが(JKYB),自分のニーズや強みの確認,支援者の特定,協力の要請,フィードバックなどが挙げられており(類書),それらを適切に組み合わせて計画したいものです。
本セッションでは,私たち自身の目標設定や子供達への指導の経験を踏まえ,参加型学習により,目標設定について共通理解した後,目標設定・達成を模擬的に行い,子供達の目標設定スキルの育成について意見交換します。】